April 2021

木村猛夫(タケオ)さん、伸枝(ノブエ)さんご夫婦がブラジル、セアラー州の小さな町へ息子と共に引っ越したのは、2019年半ばのことでした。トラック一台に洋服とイチジクの苗のみ乗せ、目の前に広がるサバンナに夢を抱き、降り立ちました。 当時猛夫さんは87歳、奥さんの伸枝さんは88歳で、ご高齢でした。すでに子供8人を育て、孫22人、曾孫12人に囲まれ、サンパウロ州タウバテー市で平穏な日々を送っていました。しかしある日、猛夫さんは家族を集め、2,730キロ離れた新天地である夢を実現したいと言いました。 それから2年が経ち、サバンナは青々とした15,000本のイチジク畑に変わり、その豊かな実りが今年話題になりました。娘の木村クリスチーナさんは「もちろん家族内で反対はありました。でも両親は自分たちを迎え入れてくれたブラジルに恩返しをしたいといつも語っていました。なにより、荒れたセアラー州の奥地で成功すれば、町の人々へ新たな希望をもたらすと言っていました。その決意は固く、ゆるぎないものでした。」と語ります。 現在の目標は2022年までにイチジク栽培を45,000本まで拡大することです。小さな町の人々の生活は、イチジク栽培の雇用ですでに変わり始めています。 「セアラー州のあの乾燥した土地を一歩踏み出した時、自分の選択は間違っていなかったと確信しました。ブラジルには悪い土地などありません。精魂込めて頑張れば必ず実ってくれる大地です。」と木村猛夫さんは言います。 木村猛夫さんは7月に89歳、伸江さんもその数日後90歳になります。しかし猛夫さんはすでに次のステップに向けて、動き始めています。地元の人たちにイチジク栽培方法を伝達し、ゆくゆくはイチジクを町を代表する生産物にしたいそうです。奥さんの伸枝さんも、地元の子供たちが通う事ができる学校の設立を考えています。 町の名はタブレイロ・ド・ノルテ。人口3万人弱の小さな町です。ほとんどの人が聞いたことのない町です。しかし近い将来、ブラジル一のイチジクの産地としてその名は知れ渡るかもしれません。この日系移民ご夫婦の名前が次世代に語り継がれてほしいものですね! ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(4月28日現在) 感染者:14,446,541 死亡者:395,324 #南米 #ブラジル #ブラジル日系移民 #日系 #移民 #農業 #イチジク #イチジク栽培 #セアラー州 写真提供:Cristina Emi Kimura 参考リンク:https://claudia.abril.com.br/blog/conversa-de-vo/a-saga-dos-kimura-que-levaram-figos-e-prosperidade-para-o-nordeste/ https://diariodonordeste.verdesmares.com.br/regiao/casal-de-japoneses-de-87-anos-se-muda-para-o-sertao-do-ceara-para-realizar-sonho-1.3073311 ...

リオデジャネイロ市の新型コロナウイルスによる死者数は2021年4月8日時点で21,436人、サンパウロ市に次いで全国で2番目に多くの死者が出ています。本業が理学療法士の車椅子フェンシング選手ファビアナ・ソアレスさん41才はリオデジャネイロ州立病院に勤務し、感染拡大以降、新型コロナ治療の第一線で戦ってきました。「数多くの命を救うこともできたけど、失った数も莫大です」とコメントするファビアナさん、新型コロナ治療においてICUでの理学療法士の役割は重要です。重症患者が人工呼吸管理を受けている間、リハビリの専門家が呼吸管理の支援、早期回復を促進するための機能の維持・改善に関わることが推奨されています。 パンデミックの影響でパラリンピックに向けての2つの大会がキャンセルされ、それまでに出場枠を獲得していなかったファビアナさんは、もう東京へ行くチャンスが無いと思っていました。ところが、今年に入ってアメリカ大陸地方大会(Campeonato Regional das Americas)が企画され、再びパラリンピック出場を夢見るようになりました。 ファビアナ選手は頭蓋骨癒合症をもって生まれ、生後1ヶ月で手術を受けました。また、左足の大腿骨が3.5cm短かったので、10才の時に治す手術をしました。しかし、手術がうまく行かず、3.5cmが8cmに悪化してしまいました。それでもスポーツが大好きで、片足が短くても健常者と一緒にホッケーを11才までやりました。車椅子フェンシングは始めてまだ6年です。2016年、リオのパラリンピックで車椅子フェンシングを見て、自分もあの舞台で戦いたいと夢見るようになりました。競技用の車椅子はオンライン寄付で買うことができたそうです。 フルーレでは国内で3回優勝、サーブルでは2回2位になりました。その結果、ブラジル代表に入ることができました。2019年のパラリンピック選考大会でカナダの選手に負け、その後予定されていた2つの大会が中止になったことで、パラリンピックを諦めて2020年はコロナとの争いに集中しました。今年に入って再びチャンスが現れ、期待が膨らみ、今は大会に向けて自宅で練習しています。チームもオンラインで集まるようになりました。ファビアナ選手は病院で働いているため、既にワクチンを2回接種済です。医療現場とスポーツの両立は大変だと思いますが、ラストチャンスを掴み取りぜひ東京行きを決めて欲しいです。アメリカ大陸地方大会は5月、サンパウロで開催予定です。 ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(4月11日現在)感染者:13,482,543人死亡者:353,293人 ブラジルのワクチン接種状況(4月11日現在)1回接種:23,286,249人2回接種:7,052,402人 参考リンクhttps://experience.arcgis.com/experience/38efc69787a346959c931568bd9e2cc4https://agenciabrasil.ebc.com.br/esportes/noticia/2020-06/paratleta-se-divide-entre-combate-covid-19-e-treinos-de-esgrimahttps://globoesporte.globo.com/paralimpiadas/noticia/atleta-e-vacinada-fabiana-soares-da-esgrima-em-cadeira-de-rodas-luta-por-vidas-e-a-vaga-em-toquio.ghtml ...