28 Apr 87歳、新天地でイチジク栽培〜ある日系移民ご夫婦のブラジルへの恩返し〜
木村猛夫(タケオ)さん、伸枝(ノブエ)さんご夫婦がブラジル、セアラー州の小さな町へ息子と共に引っ越したのは、2019年半ばのことでした。トラック一台に洋服とイチジクの苗のみ乗せ、目の前に広がるサバンナに夢を抱き、降り立ちました。 当時猛夫さんは87歳、奥さんの伸枝さんは88歳で、ご高齢でした。すでに子供8人を育て、孫22人、曾孫12人に囲まれ、サンパウロ州タウバテー市で平穏な日々を送っていました。しかしある日、猛夫さんは家族を集め、2,730キロ離れた新天地である夢を実現したいと言いました。 それから2年が経ち、サバンナは青々とした15,000本のイチジク畑に変わり、その豊かな実りが今年話題になりました。娘の木村クリスチーナさんは「もちろん家族内で反対はありました。でも両親は自分たちを迎え入れてくれたブラジルに恩返しをしたいといつも語っていました。なにより、荒れたセアラー州の奥地で成功すれば、町の人々へ新たな希望をもたらすと言っていました。その決意は固く、ゆるぎないものでした。」と語ります。 現在の目標は2022年までにイチジク栽培を45,000本まで拡大することです。小さな町の人々の生活は、イチジク栽培の雇用ですでに変わり始めています。 「セアラー州のあの乾燥した土地を一歩踏み出した時、自分の選択は間違っていなかったと確信しました。ブラジルには悪い土地などありません。精魂込めて頑張れば必ず実ってくれる大地です。」と木村猛夫さんは言います。 木村猛夫さんは7月に89歳、伸江さんもその数日後90歳になります。しかし猛夫さんはすでに次のステップに向けて、動き始めています。地元の人たちにイチジク栽培方法を伝達し、ゆくゆくはイチジクを町を代表する生産物にしたいそうです。奥さんの伸枝さんも、地元の子供たちが通う事ができる学校の設立を考えています。 町の名はタブレイロ・ド・ノルテ。人口3万人弱の小さな町です。ほとんどの人が聞いたことのない町です。しかし近い将来、ブラジル一のイチジクの産地としてその名は知れ渡るかもしれません。この日系移民ご夫婦の名前が次世代に語り継がれてほしいものですね! ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(4月28日現在) 感染者:14,446,541 死亡者:395,324 #南米 #ブラジル #ブラジル日系移民 #日系 #移民 #農業 #イチジク #イチジク栽培 #セアラー州 写真提供:Cristina Emi Kimura 参考リンク:https://claudia.abril.com.br/blog/conversa-de-vo/a-saga-dos-kimura-que-levaram-figos-e-prosperidade-para-o-nordeste/ https://diariodonordeste.verdesmares.com.br/regiao/casal-de-japoneses-de-87-anos-se-muda-para-o-sertao-do-ceara-para-realizar-sonho-1.3073311 ...