March 2022

最近ブラジルでは電気代がどんどん値上げしていて、家計に大きな打撃となっています。特にその影響を受けているのが貧困層です。貧富の差があるブラジルでは、至るところにファベーラと呼ばれるスラム街が点在しています。サンパウロ郊外のあるファベーラでは、太陽光パネル付きの住宅を建設して、住民たちの経済的な負担を減らすだけでなく、人材育成にも取り組むというプロジェクトが進んでいます。太陽光パネルでファベーラ全体が自家発電を行うのは、これが初めてです。 サンパウロ市から400kmほど離れたサンジョゼドリオプレットに位置するこのファベーラは、かなり貧しく、2014年頃から私有地を占拠する形で生まれました。ファベーラの規模は徐々に大きくなり、公有地にも広がりました。相続人や市が所有権を取り戻すために、裁判所に訴えているような状況でした。2020年、ファベーラの再開発のプロジェクトが承認されたことで、その訴えも取り消しとなりました。その仕掛け人となったのが、プロジェクトの発案者であるNGO団体Gerando Falcõesです。 Gerando Falcõesは、digno(尊厳)digital(デジタル)desenvolvido(発展した)という3つの”D”を揃えた環境にファベーラを変え、貧困をなくすことをミッションとして掲げています。一時的なサポートではなく、長い目で見て貧困から抜けられるように、ちゃんと生活できる住宅や経済的な自立も含まれます。NGOの設立者は、ファベーラで生まれ育ったエドゥさん。エドゥさんは、お母さんが教えてくれたように、ファベーラに暮らす若者たちに、犯罪以外の選択肢があるということを見せたい、といつも思っていたそうです。エドゥさんが生まれ育ったファベーラの若者たちを支援することから始まったNGOですが、今ではブラジル全土、1700のファベーラで、文化や教育、人材育成、バザーなど幅広い分野で活動するようになりました。 今回、Gerando Falcõesはスポンサー、州政府、市政府と手を組み、サンジョゼドリオプレットのファベーラを再開発します。2023年までに太陽光パネル付きの住宅を270戸建設する予定です。各家庭が自家発電で電力をカバーすることで、年間4000〜6000レアル(約800〜1200ドル)の節約になる計算です。また太陽光パネルの設置には住民たちが携わります。近年需要が増えている太陽光発電の分野で活躍できる人材を育成することで、経済的な自立もサポートします。今後、他のファベーラにも導入していく予定だそうです。母の教えを胸に、これからも若者たちに多くの選択肢を与えて欲しいですね! #南米 #ブラジル #ファベーラ #支援 #ボランティア #NGO団体 ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(3月7日現在) 感染者:29,066,590人  死亡者:652,418人 ブラジルのワクチン接種状況(3月7日現在) 1回接種:173,272,079 人  2回接種:156,248,372人 参考リンク https://www.infomoney.com.br/negocios/edu-lyra-o-empreendedor-que-abriu-os-olhos-dos-maiores-empresarios-do-pais-para-as-favelas/ https://gerandofalcoes.com https://www.diariodaregiao.com.br/cidades/riopreto/casas-da-favela-marte-em-rio-preto-ter-o-placas-de-energia-solar-1.860976 ...

南米でよく交差点の信号待ちをしている時、物をうる人たちの映像を見かけた事はありますか。今日は、そんな人達のお話です。 場所は植民地時代そのままに残されたコロニアルな雰囲気の町並みが美しいアルゼンチン第二の都市コルドバです。 数年前よりコルドバのゲメス地区にある財団ラ・クアドラはホームレスを援助してきました。サンバチームを作り、貧しい地区をまわりながら無料で子どもたちに音楽を教えることが当初の目的でした。しかし通っている子どもたちが、お腹をすかせていることに気づきました。サンバをやめ、食事にフォーカスするようになりました。そして4年前、土地を借りてホームレスの人たちと共同野菜畑とリサイクルセンターを作りました。 新型コロナウイルスが流行し、リサイクルは中止となり、続けるか閉鎖するか迷ったそうです。そこで諦めず寄付を集め、施設の一部をパン屋にしオーブンとパンこね機を買いました。リサイクルチームのメンバーの一部はパンやビスケット作りに関わり、あとは販売を担当しました。 設立者のロドリゴ・ロハスさんは「売り子には服、パン、カゴを支給します。売上のうち50%以上は本人の収入となり、残りはパン屋に再投資します。働きたい人全員にチャンスを与えています。ビスケットとカゴを持ったまま戻らない人もいますが、それは仕方がない」といいます。彼らを救いたい気持ちでいっぱいのロドリゴさん、損得は考えないようにしています。 パン屋さんの入り口では「Wi-Fi、暖かい食事、暖かいコーヒーがあります。どうぞ!」と通りかかる人に呼びかけています。中に入ると、地域住民による様々なサポートを受けられます。例えば、美容師やビジネスウェアの貸し出し、履歴書を書く人などがいます。この施設を拠点とし、住民が力を合わせて仕事探しを手伝っています。 ロベルトさん(51)は家族とのトラブルで家を出て、2年間ホームレスの生活を送っていました。道端で寝ていたとき、少ない持ち物を盗まれたことがありました。食べ物のために施設を訪ねたところ、以前の職業を聞かれました。ロベルトさんは配管工だったので、施設のメンテナンスをするようになりました。ロベルトさんと同い年のダニエルさんは以前バイクでできる仕事をしていましたが、事故でバイクを失い、家賃すら払えなくなりました。この施設でパン売りをしてみないかと声をかけてもらい、今では1日20個売るようになり、寝泊まりする場所を払えるようになりました。ダニエルさん(72)は、幼い頃に母親を亡くし、コルドバの道端で育ちました。この施設と出会ってからパン屋のキオスクを提供してもらい、収入を得られるようになったので簡易宿泊所に滞在できるようになりました。 ホームレスの人たちは交差点で施設で作った“Sueños de la calle”(街角の夢)という名のビスケットを売っています。 そのビスケットには “Ser escuchados (耳を傾けてほしい)” “no passar frio (寒さを感じたくない)”“tener um futuro(未来を持ちたい)” “que no falte comida(食べ物が不足しないように)” “tener uma família(家族を持ちたい)” “tener casa própria y trabajo(マイホームと仕事を持ちたい)” といったフレーズが刻まれています。 この施設はホームレスたちが何を必要としているかを聞き、その夢を叶えてあげる場所。 ビスケットにはその夢が刻まれています。彼らが直面している状況を知ってもらう手段にもなっています。これからも多くの人たちの街角の夢、叶うといいですね。 #アルゼンチン #コルドバ #コロナ #援助 #ホームレス #リサイクル ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(3月3日現在) 感染者:28,906,214人 死亡者:650,646人 ブラジルのワクチン接種状況(3月2日現在) 1回接種:172,805,354人 2回接種:155,318,292人 参考リンク https://www.lanacion.com.ar/comunidad/la-panaderia-cordobesa-que-le-cambio-la-vida-a-ciento-de-personas-con-sus-originales-galletas-nid19102021/ https://www.facebook.com/laquadraespacio/photos/?ref=page_internal ...