05 Jan 新型コロナウイルスで移り変わる大学の人気学部
ブラジルでは主な大学入試は通常年末に実施されますが、新型コロナウィルスの影響で2020年の入試は年明けからスタート。オンライン受験など今までとは違う形の試験となりますが、今回特に注目されているのは受験生たちの志望学部です。医学部はもともと人気でしたが、生物医学や看護という、今まで人気ランキングのトップに入らなかった学部が人気上昇中。生物医学や看護を含む医学部の受験者数は、どの大学でも平均15%から20%上昇しています。
「多くの人たちが亡くなりました。私はどうやってワクチンを開発するのか興味を持ち始めました。」とアンナ・パウラ・フレイタスさん(18)は語ります。生物海洋学か獣医を考えていたアンナさんですが、急遽生物医学に変更。サンパウロ大学(USP)では今年の受験生の数は前回に比べて22.3%も上昇しました。
ブラジル私立大学協会のソロン・カウダス氏は「医療関係の学部が人気になるなんて初めてですね。私立大学の人気学部は従来経営学部や法学部でした。やはりパンデミックの影響でしょうね。」とコメントしています。同協会の調査では生物医学や理学療法学に関心を持っている受験生は36,1%、そのうち看護がもっとも人気あり、11,7%の受験生が志望しています。「看護師たちのお仕事はすばらしいと思いました。感染の不安はありますが、このような人たちと一緒に戦いたいと思いました。」と看護学を受験するナタリア・ソラノさん、22歳は語ります。
医学受験専門予備校を経営しているコスメ・クンニャ氏によると今年の申し込みはすでに30%アップ。クンニャ氏によれば「新型コロナウイルスのように過酷な状況に直面すると若者たちは即反応します。状況が変わってほしいという切実な望み、なにかしたいという思い、またはコロナ病棟で奮闘している医療従事者たちの姿に若者たちは感動したようです。」
2021年の幕開けは新型コロナウィルス第3波という異例な状況となり、多くの医療従事者たちとその家族が一層苦しい状況下で、患者をケアしながら新年を迎える形となりました。パンデミック初期には差別もされました。「健康は人々の人生で一番重要な要素です。医療関係の職業を選ぶことは一人の人間を助けるだけでなく、社会全体を支えることになると思います。」と語るのは外出自粛中、将来の職業を決めたまだ15歳のブルーノ・サントス君。苦しい中でもしっかりと将来を見据え、若者らしい勇気と正義感を持って、これから社会を変えていくのだと希望にあふれています。
最前線で戦っている医療従事者の方たちも勇気づけられたと思います。恐怖を乗り越え、新型コロナウイルスに立ち向かう若者たちへエールを送りましょう!
ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(1月5日現在)
感染者:7,753,752,00人
死亡者:196,561人
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