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LATEST NEWS

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ロンドニア州の先住民が生産しているアマゾン・ロブスタ・コーヒーは、アマゾンを彷彿とさせる味わいがあり、近年注目を集めています。その中でも、昨年ヴァルディル・アルアーさんが生産したコーヒーは、アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)の評価基準に基づき、91.75ポイントという高評価を獲得しました。(※参考:2022年までの国産コーヒーの最高評価は91.41ポイント)

アマゾン・ロブスタ・コーヒーは、リキュールのようなコクのある味わいで、リンゴのような酸味があり、アロマはフローラルです。さらにベリーやチェリー、ブルーベリー、ウィスキー、モルト、カカオ、ハチミツのパン菓子(pão de mel)、ココナッツ菓子(cocada)、ココナッツウォーター、ミルクキャラメルを感じさせる味わいです。カネフォラ種のコニロンとロブスタの自然交配から生まれましたコーヒーで、とても味わい深く、ブラジルで最も美味しいコーヒーの1つと言われるようになりました。

ロンドニア州の先住民、パイテル・スルイー族がコーヒーと出会ったのは、1969年のことでした。もともと彼らにはコーヒーを栽培する文化はありませんでした。当時、政府は土地とより良い生活環境を約束し、北部への入植を推進していました。しかしこの地域はたちまち違法伐採や採掘などが横行するようになりました。侵略者でコーヒーの木を植えた者もいましたが、コーヒーの質が悪かったため、土壌を荒廃させる結果となりました。

1976年にようやく区画整理が行われ、1983年に先住民の土地として永久に認定されました。先住民たちは荒廃した土地を再生するために植林を行い、侵略者によって残されたコーヒーを活かすため、コーヒー栽培を学び始めました。しかし前知識がなかったため、コーヒー豆は特別な処理をされることもなく、長年近隣の街へ安く売られていました。

2018年、ブラジル農牧研究公社(Embrapa)はロンドニア州のコーヒーの品質改良のため、協力および支援を始めます。アルタ・フロレスタ・ドエステ農業局(Semagri)、国立先住民保護財団(Funai)との提携の下で、3つの先住民家族とともにプロジェクトが始まりました。
研究者のエンリケ・アウヴェスは「何世紀もの間、先住民は種や果物の保存方法を学んできました。先住民の伝統には、土地と環境に対する配慮と愛情があります。その事こそが先住民が上質なコーヒーの生産者となりうる特徴です」とコメントしています。

先住民にとって親しみのないものでしたが、森林に関する知識をもとに、コーヒーにはまず日影が必要だと理解しました。カカオやナッツ、バナナ、キャッサバなどの他の作物と一緒に植え、農薬は一切使用していません。除草は機械で行い、緑肥で土壌を保護しています。小規模栽培で、農園は常に森林の端にあります。そうすることで、コーヒーは水だけでなく、森林が与えてくれる全てのものを吸収することができます。これこそ、先祖から受け継いできた先住民の知恵、アグロフォレストリーのシステムです。

2021年、スルイー族のセレステ・スルイさんは、先住民初のバリスタになりました。コーヒーの味をより理解し、革新的な淹れ方でお客さんにコーヒーを提供できるよう、2年間勉強をしました。ラペタニア村で美味しいコーヒーを提供しているセレステさんは、コーヒーを淹れながら、非先住民と接触して、事実上消滅してしまった彼女の民族の実話を語っています。

現在では、パイレル・スルイー族だけでなく、同じセテ・デ・セテンブロ先住民保護区で暮らすアルア族、アララ族、ガビオン族などもコーヒー栽培を行っており、重要な収入源となっています。

2018年、大手コーヒーメーカー3 Corações社は、セテ・デ・セテンブロ先住民保護区と提携を結び、Projetos Tribosというプロジェクトを始めました。先住民の主体性、専門性、インフラ、コーヒー加工に焦点を当てたプロジェクトです。同社は生産されたコーヒーをすべて買い取り、全国で販売しています。収益の100%が先住民に還元されます。
バジルの種でできたラベルには、先住民の公用語であるトゥピ・モンデ語で書かれたタグが付いています。

ロブスタ種に価値を見出していない人もまだ多いですが、高品質で栽培されれば、スペシャルティコーヒーとして評価されるレベルの品種です。

先住民たちはProjetos Tribosを通じて、コーヒーの品質とスコアを高めるために不可欠な要素である、コーヒーの発酵と選別を身につけています。毎年品質コンクールが開催しており、約100のエントリーある中からベスト10を表彰しています。前述のヴァルディル・アルアーさんは、昨年91.75ポイントのコーヒーで1位に輝きました。

また「非先住民」の人々の教育のツール、また持続可能な方法で森林を守る先住民の知恵を体感してもらうために観光ツアーも実施されています。
COFFEA TRIPS
https://coffeatrips.com.br/rondonia/

希少なアマゾン・ロブスタ・コーヒー、ぜひ一度試してみてください!

参考記事:
https://www.uol.com.br/ecoa/colunas/noticias-da-floresta/2023/09/26/indigenas-reflorestam-area-devastada-e-cultivam-cafe-amazonico-de-qualidade.htm
https://sebrae.com.br/sites/PortalSebrae/origens/cafe-em-grao-do-tipo-robusta-amazonico,5aac832d2b22f710VgnVCM100000d701210aRCRD
https://brasil.mongabay.com/2023/09/como-os-paiter-surui-transformaram-os-cafezais-dos-invasores-em-cafe-amazonico-de-qualidade/
https://newsrondonia.com.br/noticias/2023/03/14/indigena-surui-e-a-1-barista-do-brasil/
https://g1.globo.com/ro/rondonia/rondonia-rural/noticia/2022/12/12/indigena-valdir-arua-vence-o-concurso-tribos-2022-com-o-melhor-cafe-robusta-amazonico.ghtml

チリ、アタカマ砂漠の近くにあるビジャセカ村には、ガスも電気も薪も使わず、太陽の熱だけで調理するというサステイナブルなレストランがあります。その名もデリシアス・デル・ソル。日本語で太陽のごちそうという意味で、1999年から営業しています。

お店の入り口には、パンなどを焼くために “オーブン”として使われるガラスの蓋がついた箱が並んでいます。また衛星放送受信アンテナのような調理器具もあります。この箱にお肉を入れて太陽の下に置いておくと、4時間でお肉はフォークで切れるくらいジューシーで柔らかくなります。同じ箱で、お米なら40分で炊き上がり、パンなら1時間で焼けます。この地方ではウサギやヤギ、鶏肉、豚肉も食べますが、これも2時間ほどで完成します。夏場は外の温度が35度、鍋の中が180度に達するので、調理時間が早くなります。

シェフのジュリアさんいわく、このレストランの売りは、すべて地元のオーガニック食材であること。また太陽の熱で調理することで、ゆっくり煮込み、食材の色を保ち、より風味が豊かなるそうです。

2018年には同じ街で「ソーラー・エントレ・コルディリェラ」という店をオープンしました。この地域の昔ながらレシピを観光客に提供しており、祖父母の手料理のような味を大切にしています。

〜どのように始まったか〜

約30年前、チリ大学の専門家たちが、この地域は太陽エネルギーをうまく活用すれば貧困問題解決に繋がると考え、ビジャセカ村を訪れました。当時、この辺りで暮らす家庭の大半が農業で生計を立てており、とても貧しかったです。

アタカマは地球上で最も日射量が多く、アメリカ南西部のモハベ砂漠よりも平均して30%も高いと言われています。専門家たちは「これさえあれば貧困をなくし、伝統的な薪ストーブを使うために、わずかな木を伐採することなく調理できる」と、住民たちに調理器具と衛星放送アンテナの作り方を教えました。

最初の数年間は試行錯誤しながら、それぞれの料理の調理時間を学びました。住人たちは、この新しい調理法で生活できると気づき、日常生活に取り入れるようになりました。女性たちはエンパナーダ(具入りパン)を作って、売り始めました。次第に売りに出せる食べ物の量や種類が増え、レストランを開くことになりました。

そして1999年、デリシアス・デル・ソルがオープンします。お客さんが24人入れる程度のスペースでした。ソーラーで全て調理するキッチン(電化製品、換気扇などもソーラーを使用)があるレストランはチリで初めてでした。現在ではスペースも広くなり、150人まで入るようになりました。この地域とチリ北部では同じようなレストランがあちらこちらオープンしました。

30年前、ビジャセカ村の小さな農家数軒から始まったことが、今ではチリ北部全域に広がりました。いつか食べに行ってみたいですね!

ビジャセカ村までのアクセス:首都サンティアゴから飛行機でラ・セレナまで1時間、そこから車で1時間10分。

参考記事:

https://www.uol.com.br/nossa/noticias/redacao/2023/09/11/nem-gas-nem-lenha-restaurante-no-chile-prepara-a-comida-com-calor-do-sol.html

https://oespecialista.com.br/cozinhar-com-o-calor-do-sol-e-alternativa-sustentavel-no-chile/

https://www.elmostrador.cl/revista-jengibre/2023/01/27/la-cocina-familiar-que-transformo-al-pueblo-de-villaseca-en-un-simbolo-mundial-de-la-gastronomia-hecha-con-energia-solar/

https://www.facebook.com/profile.php?id=100063815083390

#南米 #チリ #アタカマ #サステイナブル #レストラン #太陽エネルギー

ミナス・ジェラエス州の写真家、ジョアン・メンデス(72)とアフォンソ・ピメンタ(69)は、50年前から州都にあるセラ貧民街に住む人たちのポートレートや記念写真を撮影してきました。今年PIPA ONLINE賞に選ばれ、ブラジル全国で視覚芸術において最も優れたアーティストとして表彰されました。

60年代半ば、ジョアンとアフォンソはセラ貧民街に住んでいました。ジョアンは16歳の時にプロとして写真を撮り始め、アフォンソは13歳の時にジョアンのお母さんと知り合います。お母さんが弟子としてどうか、と紹介したことがきっかけで、二人は出会いました。アフォンソはジョアンの撮影した写真に感化されて、写真を始めることにしました。アフォンソは学校の友達から最初のカメラを買い取り、それ以来ずっと写真を続けています。

60年代後半、セラ貧民街では黒人文化のパーティー Baile Blackが盛んになり、参加者たちを撮影するために、アフォンソはパーティーに招待されました。現像した写真を渡すために、みんなの家をまわっていました。そうしているうちに彼らの家の中にも招待され、家族の集合写真やカップル、親子の写真、結婚式や誕生日といった記念日の写真もお願いされるようになりました。

アフォンソは「当時、写真は限られた人のためのものではありませんでした。長い間、私は家族にとって一番大事な瞬間を撮影してきました。洗礼、誕生日、結婚式、家族にとって象徴的な瞬間です」と言います。

2019年、アーティストのギリェルメ・クーニャが「RETRATISTAS DO MORRO」というプロジェクトを立ち上げます。ジョアンとアフォンソが撮影した10万点以上の写真を復元し、デジタル化しました。

「世間に無視されてきた写真です。ブラジルの歴史を見ても、こうした場所(貧民街)の歴史を語るプロジェクトはほとんどありません。住民と写真家は、彼ら自身の物語の主人公なのです」とギリェルメは語ります。

2人のコレクションは計25万点にも上ります。

二人の写真は現在Sesc São Paulo(Pinheiros)で11月20日まで展示されています。機会があれば、ぜひ足を運んでみてください!

参考記事:

https://g1.globo.com/mg/minas-gerais/noticia/2023/08/27/retratistas-do-morro-conheca-os-fotografos-mineiros-que-conquistaram-premio-registrando-moradores-de-favela.ghtml

https://thesummerhunter.com/porque-amamos-os-retratistas-do-morro/

https://g1.globo.com/mg/minas-gerais/noticia/2019/08/19/dia-mundial-da-fotografia-projeto-restaura-imagens-do-cotidiano-em-favela-de-belo-horizonte.ghtml

写真:  Afonso Pimenta, João Mendes

#南米 #ブラジル #アーティスト #写真家 #スラム #貧民街

ギネス世界記録で世界最長に認定されているペルーのリマからブラジルのリオデジャネイロを結ぶ約6000kmのバスルート。海岸沿いのリオから始まり、南米最大の都市サンパウロを通り、アマゾンやアンデス山脈を経て、5日間かけて最終目的地リマに向かいます。

元看護師のジョズエさん(40)は、15日おきにこのバスルートを任されている運転手の一人です。「旅行が好きだから(今の仕事を)やっています。昔から好きでした。医療従事者としてアクレ州で働いていた時も、有休の時はいつも家族と車で旅行に行っていました。」ジョズエさんは同僚たちと4時間毎に交代し、1日3回の休憩を挟みつつ、6000kmを走ります。

バスにはトイレと浄水器が付いており、座席によっては、横たわれるタイプもあります。乗客のヴァネッサさんは「トイレも水もWi-Fiもないバスに乗ったことがあります。全部ついてるだけ、全然良いです」と言います。

サービスエリアには1日3回、シャワーと食事のために止まります。朝食は短めの休憩で30分、昼食と夕食は1時間ずつ止まるので、バス会社はそのタイミングでシャワーを利用することを推薦しています。

このルートの大変さは距離と時間だけではありません。経由地点、ペルーのクスコは標高3300m以上で、酸素が薄く、高山病の症状が現れることも。ジョズエさんいわく「運転している人が具合悪くなった時のために、特にアンデス山脈では、常に運転手は前に2人いるようにしています。場所によって、標高4〜5000mで、吐き気を催したり、めまいがすることもあります。初めて行った時は、高山病っぽくなりましたが、それほどひどくありませんでした。徐々に慣れていきます」

またジョズエさんによれば、ペルー側の道路は地形が険しく、死角が多いので、安全を確保することも大事なタスクです。カーブではクラクションを鳴らして、対向車線から来る人たちに知らせるそうです。

サンパウロ〜リマは飛行機だったら5時間で行けてしまいますが、それでもバスをあえて選ぶ人たちの気持ちは分かる、とジョズエさんは言います。

「唯一無二の景色です。初めてこのルートを運転した時、行きはバス、帰りは飛行機で戻る予定のお客さんがいました。でもすごく気に入ったので、帰りも私たちと一緒に(バスで)戻りました。お客さんたちはアンデス山脈だったり、アマゾンからすでに砂漠になった場所の変化を見たいと言います。素晴らしいですよ。」

乗客もまた多種多様です。冒険好きなブラジル人バックパッカー、母国に帰国するペルー人もいます。この日乗っていたブラジル人親子はクスコまで、3日半かけて行く予定です。「バックパッカーには慣れていますが、電車の方が多く、バスの経験はそれほどありません。あまり快適じゃないかもと分かっていますが、アンデス山脈がバスから見えるんです!飛行機からは見えない景色を地上から見ることができます」

5日間6000kmのバス旅。大変なのは言うまでもありませんが、このバス旅でしか経験できないこと、見られない景色がありそうです👀✨

●本当に世界最長?●

昨年までブラジルのリオ〜コロンビのボゴタを繋ぐバスルートがあり、走行距離は14000km。公式な記録にはなっていませんが、世界最長だと考えられていました。しかしバス会社Ormenõが倒産してしまったため、このルートもなくなってしまいました。

リオ〜リマは2016年からギネス世界記録に認定されており、走行距離は6200km。当時はOrmenõ社が運行していましたが、今年4月からブラジル、リオ・ブランコに拠点を置くTransacreana社が同ルートで運行するようになりました。Transacreana社は改めて申請し、ギネス世界記録に認定してもらう予定です。

●運行スケジュールと料金●

リオ、リマともに毎週木曜日発。料金は片道1000レアル〜(約205ドル)

参考:https://www.uol.com.br/nossa/noticias/redacao/2023/05/19/rio-lima-onibus-faz-a-rota-mais-longa-do-mundo.htm

写真:UOLより

#ブラジル #ペルー #ギネス記録 #バス旅

ルビー・フォーファちゃんは、ヘルメット、サングラス、リュックなどを身にまとい、バイカーの格好をして、9年前から飼い主のミゲルさんのバイク便の配達やお出かけに同行しています。今では13万6千人もフォロワーがいる有名人です。

ルビーちゃんとミゲルさんの出会いは2013年。雨に濡れ、車の下で怯えているルビーちゃんをミゲルさんが発見しました。それ以来、ミゲルさんとルビーちゃんはいつも一緒です。

ミゲルさんが仕事に出るたびに、いつもルビーちゃんは付いてこようとするので、配達に一緒に連れて行くようになりました。ミゲルさんいわく「日常を載せるSNSのアカウントを作ればいいのに、といつも友達に言われていました。アカウントを始めて5年が経ち、たくさんのフォロワーができました」

ルビーちゃんとの出会いがきっかけで「ルビーちゃんがエサやチキンを食べている一方で、道にはお腹を空かせ、寒い思いをしている動物たちがいるんだ」と、他の野良犬について考えるようになりました。それから、サンパウロでデリバリーの配達をする際、道中で野良の動物やホームレスを助けるようになりました。ミゲルさんは「給料があまり高くない、バイク便の僕でも、何かしら手助けはできる」と思ったそうです。

SNSで話題になったことで、ペットフードの会社とタイアップも実現しました。毎月、約150キロのペットフードを寄付しています。「コロナ禍で寄付を増やしました。普段よりも野良犬の助けが少ないと感じたからです。それだけでなく、失業率が高くなり、ペットにエサを上げられなくなった人たちも増えました」。配達の道中で、ペットフードを入れた小さな袋を配るだけでなく、パンデミックの影響で経済的に苦しい状況にある人たちに対して、ペットフードを支給するようにもなりました。

この活動は「ルビー・フォーファ・プロジェクト」と名付けられ、これまでに5トン以上のペットフードを寄付しました。またオリジナルグッズを販売して、活動資金に充てています。

二人の活動は@rubyfofa(インスタグラム)で見られるので、ぜひチェックしてみてください:)

これからも頑張って!

#南米 #ブラジル #サンパウロ #保護犬 #ボランティア #バイク便

参考

https://www.uol.com.br/ecoa/ultimas-noticias/2023/01/10/ruby-fofa-cachorra-adotada-viaja-na-garupa-com-motoboy-distribuindo-racao.htm

最近ブラジルでは電気代がどんどん値上げしていて、家計に大きな打撃となっています。特にその影響を受けているのが貧困層です。貧富の差があるブラジルでは、至るところにファベーラと呼ばれるスラム街が点在しています。サンパウロ郊外のあるファベーラでは、太陽光パネル付きの住宅を建設して、住民たちの経済的な負担を減らすだけでなく、人材育成にも取り組むというプロジェクトが進んでいます。太陽光パネルでファベーラ全体が自家発電を行うのは、これが初めてです。

サンパウロ市から400kmほど離れたサンジョゼドリオプレットに位置するこのファベーラは、かなり貧しく、2014年頃から私有地を占拠する形で生まれました。ファベーラの規模は徐々に大きくなり、公有地にも広がりました。相続人や市が所有権を取り戻すために、裁判所に訴えているような状況でした。2020年、ファベーラの再開発のプロジェクトが承認されたことで、その訴えも取り消しとなりました。その仕掛け人となったのが、プロジェクトの発案者であるNGO団体Gerando Falcõesです。

Gerando Falcõesは、digno(尊厳)digital(デジタル)desenvolvido(発展した)という3つの”D”を揃えた環境にファベーラを変え、貧困をなくすことをミッションとして掲げています。一時的なサポートではなく、長い目で見て貧困から抜けられるように、ちゃんと生活できる住宅や経済的な自立も含まれます。NGOの設立者は、ファベーラで生まれ育ったエドゥさん。エドゥさんは、お母さんが教えてくれたように、ファベーラに暮らす若者たちに、犯罪以外の選択肢があるということを見せたい、といつも思っていたそうです。エドゥさんが生まれ育ったファベーラの若者たちを支援することから始まったNGOですが、今ではブラジル全土、1700のファベーラで、文化や教育、人材育成、バザーなど幅広い分野で活動するようになりました。

今回、Gerando Falcõesはスポンサー、州政府、市政府と手を組み、サンジョゼドリオプレットのファベーラを再開発します。2023年までに太陽光パネル付きの住宅を270戸建設する予定です。各家庭が自家発電で電力をカバーすることで、年間4000〜6000レアル(約800〜1200ドル)の節約になる計算です。また太陽光パネルの設置には住民たちが携わります。近年需要が増えている太陽光発電の分野で活躍できる人材を育成することで、経済的な自立もサポートします。今後、他のファベーラにも導入していく予定だそうです。
母の教えを胸に、これからも若者たちに多くの選択肢を与えて欲しいですね!

#南米 #ブラジル #ファベーラ #支援 #ボランティア #NGO団体


ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(3月7日現在)

感染者:29,066,590人  死亡者:652,418人

ブラジルのワクチン接種状況(3月7日現在)

1回接種:173,272,079 人  2回接種:156,248,372人


参考リンク

https://www.infomoney.com.br/negocios/edu-lyra-o-empreendedor-que-abriu-os-olhos-dos-maiores-empresarios-do-pais-para-as-favelas/

https://gerandofalcoes.com

https://www.diariodaregiao.com.br/cidades/riopreto/casas-da-favela-marte-em-rio-preto-ter-o-placas-de-energia-solar-1.860976

南米でよく交差点の信号待ちをしている時、物をうる人たちの映像を見かけた事はありますか。今日は、そんな人達のお話です。

場所は植民地時代そのままに残されたコロニアルな雰囲気の町並みが美しいアルゼンチン第二の都市コルドバです。

数年前よりコルドバのゲメス地区にある財団ラ・クアドラはホームレスを援助してきました。サンバチームを作り、貧しい地区をまわりながら無料で子どもたちに音楽を教えることが当初の目的でした。しかし通っている子どもたちが、お腹をすかせていることに気づきました。サンバをやめ、食事にフォーカスするようになりました。そして4年前、土地を借りてホームレスの人たちと共同野菜畑とリサイクルセンターを作りました。

新型コロナウイルスが流行し、リサイクルは中止となり、続けるか閉鎖するか迷ったそうです。そこで諦めず寄付を集め、施設の一部をパン屋にしオーブンとパンこね機を買いました。リサイクルチームのメンバーの一部はパンやビスケット作りに関わり、あとは販売を担当しました。

設立者のロドリゴ・ロハスさんは「売り子には服、パン、カゴを支給します。売上のうち50%以上は本人の収入となり、残りはパン屋に再投資します。働きたい人全員にチャンスを与えています。ビスケットとカゴを持ったまま戻らない人もいますが、それは仕方がない」といいます。彼らを救いたい気持ちでいっぱいのロドリゴさん、損得は考えないようにしています。

パン屋さんの入り口では「Wi-Fi、暖かい食事、暖かいコーヒーがあります。どうぞ!」と通りかかる人に呼びかけています。中に入ると、地域住民による様々なサポートを受けられます。例えば、美容師やビジネスウェアの貸し出し、履歴書を書く人などがいます。この施設を拠点とし、住民が力を合わせて仕事探しを手伝っています。

ロベルトさん(51)は家族とのトラブルで家を出て、2年間ホームレスの生活を送っていました。道端で寝ていたとき、少ない持ち物を盗まれたことがありました。食べ物のために施設を訪ねたところ、以前の職業を聞かれました。ロベルトさんは配管工だったので、施設のメンテナンスをするようになりました。ロベルトさんと同い年のダニエルさんは以前バイクでできる仕事をしていましたが、事故でバイクを失い、家賃すら払えなくなりました。この施設でパン売りをしてみないかと声をかけてもらい、今では1日20個売るようになり、寝泊まりする場所を払えるようになりました。ダニエルさん(72)は、幼い頃に母親を亡くし、コルドバの道端で育ちました。この施設と出会ってからパン屋のキオスクを提供してもらい、収入を得られるようになったので簡易宿泊所に滞在できるようになりました。

ホームレスの人たちは交差点で施設で作った“Sueños de la calle”(街角の夢)という名のビスケットを売っています。

そのビスケットには “Ser escuchados (耳を傾けてほしい)” “no passar frio (寒さを感じたくない)”“tener um futuro(未来を持ちたい)” “que no falte comida(食べ物が不足しないように)” “tener uma família(家族を持ちたい)” “tener casa própria y trabajo(マイホームと仕事を持ちたい)” といったフレーズが刻まれています。

この施設はホームレスたちが何を必要としているかを聞き、その夢を叶えてあげる場所。

ビスケットにはその夢が刻まれています。彼らが直面している状況を知ってもらう手段にもなっています。これからも多くの人たちの街角の夢、叶うといいですね。

#アルゼンチン #コルドバ #コロナ #援助 #ホームレス #リサイクル

ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(3月3日現在)

感染者:28,906,214人

死亡者:650,646人

ブラジルのワクチン接種状況(3月2日現在)

1回接種:172,805,354人

2回接種:155,318,292人

参考リンク

https://www.lanacion.com.ar/comunidad/la-panaderia-cordobesa-que-le-cambio-la-vida-a-ciento-de-personas-con-sus-originales-galletas-nid19102021/

https://www.facebook.com/laquadraespacio/photos/?ref=page_internal

カナダ人の機械エンジニアArian Rayeganiさん(28)は、2019年に南米最大のファヴェーラ(スラム街)と言われるリオデジャネイロのロシーニャに移り住みました。ブラジルを初めて訪れたのは2014年、以降その魅力に取り付かれ、カナダとブラジルを行き来するようになったそうです。

サステナビリティに関わるプロジェクトをブラジルで立ち上げたいと思っていたArianさんにとって、大量のゴミを生み出し、衛生環境が悪く、リサイクルシステムもないロシーニャは理想の地でした。2021年4月、彼の構想はカタチになり、ペットボトルのキャップからスケートボードを作る小さな工場を設立しました。現在までに、ゴミとして捨てられるはずだった700キロものキャップがスケートボードに生まれ変わったそうです。

ひとつのスケートボードを作るのに約500個のキャップが必要です。材料は、ファヴェーラの住人や周辺の漁師たち、食料品を配給する福祉活動団体から集められています。1台の制作は約2時間、販売価格はウィール付きでR$480(約1万円)、ウィール無しだとR$260(約5400円)。企業からの発注があり、今では従業員を2名雇っても足りないほど大忙しだそう。「将来はもっと大きなスペースに移り、訪れた人が自分のオリジナルスケートボードを作れるワークショップもしたい」と夢は広がります。

45年以上ロシーニャに住み、NGOでビーチの清掃活動に携わるMarcelo Fariasは、「ゴミはファヴェーラの抱える一番難しい問題のひとつです。多くの家庭のゴミが回収されずに不法に投棄されています。Arianさんのプロジェクトは住民の意識を変えるキッカケになるでしょう。ゴミと思っていたものが価値あるものに生まれ変わると分かれば、道路や海にゴミを捨てる人も少なくなると思うんです」と語ります。

Arianさんの作るスケートボードはとってもカラフル。リオデジャネイロの遊歩道の波模様がボードの表面に施されていているのも素敵ですね。ブラジルのスケボーは世界トップレベルです。いつかArianさんのボトルキャップスケボーを使うアスリートが活躍する日を夢見て!

ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(1月31日現在)
感染者: 25,454,105人
死亡者: 627,365人

ブラジルのワクチン接種状況(1月31日現在)
1回接種: 165,051,994人
2回接種: 149,909,574人

参考リンク
https://oglobo.globo.com/um-so-planeta/canadense-monta-fabrica-na-rocinha-para-transformar-tampinhas-plasticas-em-skates-25356174?utm_source=Whatsapp&utm_medium=Social&utm_campaign=compartilhar
https://www.instagram.com/nalajedesigns/

東京五輪で初めてオリンピック種目となったサーフィン。ブラジル人のイタロ・フェヘイラが五十嵐カノアとの激闘の末、初代チャンピオンに輝きました。
そのフェヘイラほか3人の選手は2021年、世界最高峰の「チャンピオンシップツアー」の世界ランク1~3位を独占し、ブラジル勢の活躍が際立っています。スラム街出身の選手もいて、サッカー同様人気のスポーツですが、楽しんでいるのは人間だけではありません。

11月27日、ブラジルの東北部リオグランデ•ド•ノルテ州ナタウ市で人と犬が一緒にボードに乗って競うサーフィン大会が行なわれました。全26組が参加、うち22組が初心者部門、4組がベテラン部門で競いました。

初参加のワンちゃんたちはライフジャケットを付けて海に入ります。初心者部門で参加し優勝したヌテラ君は、なんとプールでの練習のみで本番に挑んだそう。飼い主のフェルナンドさんが上下にボードを揺らしてもしっかりとバランスを取っています。初サーフィンでチャンピオンになるなんて、生まれつきの才能でしょうか。
ベテラン部門で参加したラブラドール・レトリバーのボーノ君は今回残念ながら3位でしたが、実は犬のサーフィン界では超有名犬で、5回も世界チャンピオンになった強者です。さらに、ボーノ君と飼い主のイヴァンさんは、2016年マラニョン州のメアリン川で1km690.5mの距離を潮津波に乗り続け、犬と人が一緒のサーフボードで世界一長く波に乗ったとしてギネスブックに掲載されています。
大会の様子はYoutubeで見られます。怖いもの知らず、おっとりさん、じっとしていられないタイプ、波乗りスタイルにそれぞれの性格が現れているようです。

ブラジル #サーフィン #犬 #surfdogfestival #praia #海

ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(12月6日現在)
感染者: 615,789
死亡者: 22,146,004

ブラジルのワクチン接種状況(12月6日現在)
1回接種: 159,618,843
2回接種: 137,095,914

参考リンク
https://www.youtube.com/watch?v=bFVIvUFlSI8
https://www.instagram.com/surfdogfestival/
http://www.tribunadonorte.com.br/noticia/parafina-e-nutella-vencem-o-surf-dog-festival-em-natal/526402
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mct

アルゼンチン、エントレ・リオス州イラススタ村の牧羊犬ラプターは、2021年7月19日、羊の群れと一緒に戻ってきませんでした。どんどん日が暮れていくので、飼い主のマチアス・マルケス氏は心配になり探しに出ました。普段は呼ぶとすぐに走ってくるのに、いくら呼んでも来ません。やっと小川の近くでラプターを見つけましたが、呼んでも尻尾を振るだけで、近づいてきません。おかしいと思いそっと近寄ると、ボールのように丸くなった生まれたばかりの子羊を守っていたことに気がつきました。恐らく出産したばかりの母羊は、群れと一緒に歩けない子羊を置き去りにしてしまったのでしょう。マルケス氏が子羊を抱いて連れて帰ると、母親と思しき一頭の羊が声を出して呼び続けていました。
真冬の夜で気温がかなり下がっていたので、ラプターが守っていなければ子羊は死んでいたとマルケス氏は語りました。

ラプターを飼うことになったきっかけは、3年前羊たちが野良犬に襲われ、60頭のうち33頭を失ってしまったことでした。その時、ウルグアイでマレンマ・シープドッグを牧羊犬として訓練していることを知り、ラプターとハンナを取り寄せました。
2匹は生まれた時から羊の群れと一緒に暮らし、羊たちの仲間として育てられました。この犬種は狼の遺伝子が一部入っていると言われ、狼や熊、怪しい人間を追い払う能力があると知られています。

「ラプターが羊たちと強い絆を作っていたことを今回感じさせてくれました。これだけ忠実心がある動物は犬以外存在しません」とマルケス氏は加えました。

盲導犬、介助犬、聴導犬、麻薬探知犬・・・犬は私達のために多大なアシストをしてくれます。
そして羊たちにも献身的に接してくれるのですね。
コロナ禍、癒やされたい気持ちだけで犬を飼い、世話を負担に感じて放棄する例もたくさんある様ですが、家族の一員として愛くるしいワンちゃんと一緒に暮らしたい!と思う、今日この頃です。

#アルゼンチン #牧羊犬 #羊 #犬 #絆

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参考リンク
https://www.lanacion.com.ar/economia/campo/su-perro-no-regreso-al-corral-con-las-ovejas-y-lo-encontro-haciendo-algo-sorprendente-nid19072021/
https://news.agrofy.com.ar/noticia/194850/raptor-perro-que-protagonizo-asombrosa-historia-campo-rios