新型コロナウイルスに立ち向かう先住民看護師

新型コロナウイルスに立ち向かう先住民看護師

看護師のヴァンダ・オルテガさん(33)は、Witoto族出身です。毎朝6時に起床し、マスクや手袋、防護服の他、民族の象徴であるインコの羽飾りを頭につけて、出かけます。新型コロナウイルスがアマゾナス州マナウス市まで広がった時からヴァンダさんの日課は新型コロナウイルス症状に悩む先住民たち2500人のケアすることです。ヴァンダさんは市の郊外にある先住民地区の唯一のボランティア看護師です。

新型コロナウイルスは医療が行き届かない先住民たちにとって大きな悲劇になると、職業柄もありヴァンダさんは覚悟していました。最初は感染予防を呼びかけるビデオ制作やマスク作りなどしていました。感染が拡大するにつれ、ケアを必要とする人々も多くなっていき、また食料不足も深刻化してきたので、週末は食料支援活動にも力を入れました。

そして4月半ばヴァンダさんは初めて重症患者と直面します。しかし救急車をお願いした時、「先住民だから搬送できない」と思いがけない返事をもらいます。ブラジル政府の法律では先住民の医療は先住民特別医療局(SESAI)が行うようになっているからです。

ヴァンダさんは「息苦しさと痛みを訴える患者さんを前にして、死を待つなどということはできませんでした」とその時のことを語っています。周りの反対を押し切り、自力で市の救急病院まで運びました。その後、この患者さんは2日間の入院で無事家に戻ることができました。しかしこれをきっかけにヴァンダさんは戦わなければと決意したそうです。

5月上旬ブラジル厚生相のマナウス市訪問が決まると、ヴァンダさんは顔をペイントし、簡単なプレートを作り、友達2人の女性を説得して、大臣と直談判しようと決意します。「これしか道がないと思ったのです」とヴァンダさんは語ります。 大臣一行のスケジュールはいそがしく、一日中大臣訪問先を追いかけた結果、ヴァンダさんはやっと、先住民治療特別補佐官と直接話すことができました。ヴァンダさんの真剣に訴えるその姿は、大臣らに同行するジャーナリストたちの目にとまり、たちまち世界で話題になり、初めて先住民治療の問題が知られるようになりました。

ヴァンダさんのこの時の行動は5月半ばから徐々に実りはじめます。マナウス先住民地区には新型コロナウイルス治療車両が設置され、お医者さんも来てくれるようになります。さらにマナウス市内に先住民専門治療の仮設病棟も作られました。「私たちの世代は常に生き延びる戦いをしてきました。ウイルスもその一つです。一つでも命を救うことは、代々伝わる土地、森林、伝統を次の世代へ引き継ぐことに繋がるのです。」と今でも休まずケアを続けているヴァンダさんは語ります。先住民たちにとって新たな希望の星になったと言われています。

ヴァンダさん!私たちも応援しています💪✨

ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(7月29日現在)

感染者:2,498,668人

死亡者:88,792人

#新型コロナウイルス #感染拡大 #先住民 #ボランティア #COVID-19 #南米 #ブラジル #マナウス

参考リンク: https://amazoniareal.com.br/coronavirus-como-um-protesto-de-tres-mulheres-indigenas-mudou-o-atendimento-de-saude-no-parque-das-tribos/?fbclid=IwAR1DB1BajrUlfhrrV0pV7nHuAzGDV1W-Ig0vV3w9gUzq-i668iTrTXjA2ZE

https://www.nationalgeographicbrasil.com/cultura/2020/05/enfermeira-indigena-comunidade-multietnica-periferia-manaus-covid-19-pandemia

https://g1.globo.com/bemestar/coronavirus/noticia/2020/05/11/enfermeira-indigena-da-amazonia-ajuda-na-luta-contra-coronavirus-nas-horas-vagas-fotos.ghtml

https://elle.com.br/sociedade/a-comunidade-indigena-vai-a-luta-contra-o-coronavirus/particle-8

https://www.instagram.com/vanda_ortega/

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