12 Nov 新たなハグを求めて
今回の新型コロナウィルスは人間の習慣に大きく影響を及ぼしました。誕生日会やシュラスコなど、何かにつけて集まるのが好きなブラジル人も、家族や友達に会うのを躊躇し、ハグやキスの挨拶もパンデミック以降は控えるようになりました。
しかし、10年以上もひとりぼっちで暮らし、話し相手もいない、ハグをしてくれる仲間もいない生活ってどんなものでしょう。そんな生活を送るサルが、ミナス•ジェライス州とエスピリット•サント州の州境にいます。名前はボニータ。ボニータはムリキ(学名:Brachyteles hypoxanthus)という種類で、ブラジルの固有種、国際自然保護連合IUCNのレッドリストで絶滅寸前種に指定されています。ムリキのメスは6歳を過ぎる頃に生まれた群れを出て、新たな群れを探す旅に出ます。ボニータはその旅の途中、伐採で孤立した森林に迷い込み、他の群れに合流できないままひとりぼっちで暮らすことになってしまったのです。
ボニータが新しい群れに合流し、新しい仲間と穏やかな生活が送れるように、カパラオー国立公園で活動するムリキ保護プロジェクトのメンバーが立ち上がりました。2018年5月にボニータの存在が明らかになって以降、行動をモニタリングしたり遺伝子分析を行うのと同時に、捕獲と移送に必要な資金を募金で集め、各機関からの許可を得ました。そして今月やっと、獣医や生物学者、クライマーなどから成る捕獲&移送チームが組まれ、ボニータが新しい仲間と合流できるのも目前となりました。
個体数の少ないムリキは、たった一匹でも種の保存において貴重な存在です。ボニータが早く新しい環境に慣れ、ムリキの未来に貢献するように願っています。人間は自然や動物にもう少し謙虚でいたいものですね。
ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(11月11日現在)
感染者:5,749,007人
死亡者:163,406人
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