12 Apr コロナと戦う車椅子フェンシング選手
リオデジャネイロ市の新型コロナウイルスによる死者数は2021年4月8日時点で21,436人、サンパウロ市に次いで全国で2番目に多くの死者が出ています。本業が理学療法士の車椅子フェンシング選手ファビアナ・ソアレスさん41才はリオデジャネイロ州立病院に勤務し、感染拡大以降、新型コロナ治療の第一線で戦ってきました。「数多くの命を救うこともできたけど、失った数も莫大です」とコメントするファビアナさん、新型コロナ治療においてICUでの理学療法士の役割は重要です。重症患者が人工呼吸管理を受けている間、リハビリの専門家が呼吸管理の支援、早期回復を促進するための機能の維持・改善に関わることが推奨されています。
パンデミックの影響でパラリンピックに向けての2つの大会がキャンセルされ、それまでに出場枠を獲得していなかったファビアナさんは、もう東京へ行くチャンスが無いと思っていました。ところが、今年に入ってアメリカ大陸地方大会(Campeonato Regional das Americas)が企画され、再びパラリンピック出場を夢見るようになりました。
ファビアナ選手は頭蓋骨癒合症をもって生まれ、生後1ヶ月で手術を受けました。また、左足の大腿骨が3.5cm短かったので、10才の時に治す手術をしました。しかし、手術がうまく行かず、3.5cmが8cmに悪化してしまいました。それでもスポーツが大好きで、片足が短くても健常者と一緒にホッケーを11才までやりました。車椅子フェンシングは始めてまだ6年です。2016年、リオのパラリンピックで車椅子フェンシングを見て、自分もあの舞台で戦いたいと夢見るようになりました。競技用の車椅子はオンライン寄付で買うことができたそうです。
フルーレでは国内で3回優勝、サーブルでは2回2位になりました。その結果、ブラジル代表に入ることができました。
2019年のパラリンピック選考大会でカナダの選手に負け、その後予定されていた2つの大会が中止になったことで、パラリンピックを諦めて2020年はコロナとの争いに集中しました。
今年に入って再びチャンスが現れ、期待が膨らみ、今は大会に向けて自宅で練習しています。チームもオンラインで集まるようになりました。ファビアナ選手は病院で働いているため、既にワクチンを2回接種済です。
医療現場とスポーツの両立は大変だと思いますが、ラストチャンスを掴み取りぜひ東京行きを決めて欲しいです。アメリカ大陸地方大会は5月、サンパウロで開催予定です。
ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(4月11日現在)
感染者:13,482,543人
死亡者:353,293人
ブラジルのワクチン接種状況(4月11日現在)
1回接種:23,286,249人
2回接種:7,052,402人
参考リンク
https://experience.arcgis.com/experience/38efc69787a346959c931568bd9e2cc4
https://agenciabrasil.ebc.com.br/esportes/noticia/2020-06/paratleta-se-divide-entre-combate-covid-19-e-treinos-de-esgrima
https://globoesporte.globo.com/paralimpiadas/noticia/atleta-e-vacinada-fabiana-soares-da-esgrima-em-cadeira-de-rodas-luta-por-vidas-e-a-vaga-em-toquio.ghtml
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