19 May アルゼンチンで絶滅種オオカワウソが!
5月16日、生物学者のセバスチアン・ディ・マルティノさんがアルゼンチン、チャコ州のエル・インペネトラブレ国立公園(Parque Nacional El Impenetrable)に流れるヴェルメホ川(Río Bermejo)をボートで移動していると、意外な動物に遭遇しました。30年前からアルゼンチンで絶滅しているはずのオオカワウソ(Pteronura brasiliensis )です。特にヴェルメホ川では100年前からこの動物を見かけていません。水面から顔を出した動物を見たマルティノさんは最初普通のカワウソ(Lontra longicaudis )だと思いましたが、鳴き声を聞いた瞬間ビックリ、最近アルゼンチンへ戻す目的でヨーロッパから連れて来たオオカワウソのカップルCoco&Alondraの鳴き声にそっくりだったのです!このつがいは環境に慣れさせるためコリエンテス市イベラ国立公園の池でモニタリングされています。
半信半疑で携帯電話で撮影していたところ、頭を水面から上げて胸の白いシミを見せました。「間違い無い!」白いシミはこの種類独特のものでした。
オオカワウソはブラジルのパンタナルとアマゾンの固有種であり、北はガイアナ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、南はパラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンの北部まで生息していましたが、アルゼンチンとウルグアイでは絶滅してしまいました。
南米で絶滅寸前になった理由は毛皮の輸出です。オオカワウソの毛皮は北米やヨーロッパで人気が高く、1904年から1969年まで輸出されていました。1940年代ではジャガーの皮より価格が高く、60年間で23,000,000匹が殺されてしまいました。
1975年にブラジルでは狩りが禁止されましたが、アルゼンチンでは手遅れでした。ブラジルでは20%まで減ってしまいました。
最近、個体数が回復している印があちらこちらで現れています。ソリモエンス川、ガイアナ、ボリビア、コロンビアなどで見かけられるようになりました。
オオカワウソは1.8メートル、33kgまで成長します。川では食物連鎖の頂点にいる捕食者です。15匹ほどの群れで昼間に狩りを行います。河岸に巣穴を作るので、河川の濁りと汚染はこの動物の保全に有害になります。
今回発見された一匹はパラグアイから1000Km移動して来たと思われています。マルティノさんの今後の課題は自然の中で自由に生きているこの一匹が殺されないように見守ることです。身勝手な人間の犠牲になっている多くの動物たちにエールを!
ブラジルの新型コロナウイルス感染状況(5月18日現在)
感染者:15,735,485人
死亡者:439,379人
ブラジルのワクチン接種状況(5月18日現在)
1回接種:39,897,840人
2回接種:19,711,628人
#アルゼンチン #南米 #オオカワウソ #絶滅 #エル・インペネトラブレ国立公園
参考リンク
https://www.lanacion.com.ar/sociedad/chaco-encontraron-un-ejemplar-de-una-especie-que-se-creia-extinta-en-el-pais-nid18052021/
https://www.museu-goeldi.br/noticias/a-caca-predatoria-na-amazonia-e-a-recuperacao-das-ariranhas-do-rio-negro
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