08 Mar ファベーラ初 太陽光発電で住人を支援
最近ブラジルでは電気代がどんどん値上げしていて、家計に大きな打撃となっています。特にその影響を受けているのが貧困層です。貧富の差があるブラジルでは、至るところにファベーラと呼ばれるスラム街が点在しています。サンパウロ郊外のあるファベーラでは、太陽光パネル付きの住宅を建設して、住民たちの経済的な負担を減らすだけでなく、人材育成にも取り組むというプロジェクトが進んでいます。太陽光パネルでファベーラ全体が自家発電を行うのは、これが初めてです。
サンパウロ市から400kmほど離れたサンジョゼドリオプレットに位置するこのファベーラは、かなり貧しく、2014年頃から私有地を占拠する形で生まれました。ファベーラの規模は徐々に大きくなり、公有地にも広がりました。相続人や市が所有権を取り戻すために、裁判所に訴えているような状況でした。2020年、ファベーラの再開発のプロジェクトが承認されたことで、その訴えも取り消しとなりました。その仕掛け人となったのが、プロジェクトの発案者であるNGO団体Gerando Falcõesです。
Gerando Falcõesは、digno(尊厳)digital(デジタル)desenvolvido(発展した)という3つの”D”を揃えた環境にファベーラを変え、貧困をなくすことをミッションとして掲げています。一時的なサポートではなく、長い目で見て貧困から抜けられるように、ちゃんと生活できる住宅や経済的な自立も含まれます。NGOの設立者は、ファベーラで生まれ育ったエドゥさん。エドゥさんは、お母さんが教えてくれたように、ファベーラに暮らす若者たちに、犯罪以外の選択肢があるということを見せたい、といつも思っていたそうです。エドゥさんが生まれ育ったファベーラの若者たちを支援することから始まったNGOですが、今ではブラジル全土、1700のファベーラで、文化や教育、人材育成、バザーなど幅広い分野で活動するようになりました。
今回、Gerando Falcõesはスポンサー、州政府、市政府と手を組み、サンジョゼドリオプレットのファベーラを再開発します。2023年までに太陽光パネル付きの住宅を270戸建設する予定です。各家庭が自家発電で電力をカバーすることで、年間4000〜6000レアル(約800〜1200ドル)の節約になる計算です。また太陽光パネルの設置には住民たちが携わります。近年需要が増えている太陽光発電の分野で活躍できる人材を育成することで、経済的な自立もサポートします。今後、他のファベーラにも導入していく予定だそうです。
母の教えを胸に、これからも若者たちに多くの選択肢を与えて欲しいですね!
#南米 #ブラジル #ファベーラ #支援 #ボランティア #NGO団体
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