30 Aug 5日間で6000km 世界最長!バスルート
ギネス世界記録で世界最長に認定されているペルーのリマからブラジルのリオデジャネイロを結ぶ約6000kmのバスルート。海岸沿いのリオから始まり、南米最大の都市サンパウロを通り、アマゾンやアンデス山脈を経て、5日間かけて最終目的地リマに向かいます。
元看護師のジョズエさん(40)は、15日おきにこのバスルートを任されている運転手の一人です。「旅行が好きだから(今の仕事を)やっています。昔から好きでした。医療従事者としてアクレ州で働いていた時も、有休の時はいつも家族と車で旅行に行っていました。」ジョズエさんは同僚たちと4時間毎に交代し、1日3回の休憩を挟みつつ、6000kmを走ります。
バスにはトイレと浄水器が付いており、座席によっては、横たわれるタイプもあります。乗客のヴァネッサさんは「トイレも水もWi-Fiもないバスに乗ったことがあります。全部ついてるだけ、全然良いです」と言います。
サービスエリアには1日3回、シャワーと食事のために止まります。朝食は短めの休憩で30分、昼食と夕食は1時間ずつ止まるので、バス会社はそのタイミングでシャワーを利用することを推薦しています。
このルートの大変さは距離と時間だけではありません。経由地点、ペルーのクスコは標高3300m以上で、酸素が薄く、高山病の症状が現れることも。ジョズエさんいわく「運転している人が具合悪くなった時のために、特にアンデス山脈では、常に運転手は前に2人いるようにしています。場所によって、標高4〜5000mで、吐き気を催したり、めまいがすることもあります。初めて行った時は、高山病っぽくなりましたが、それほどひどくありませんでした。徐々に慣れていきます」
またジョズエさんによれば、ペルー側の道路は地形が険しく、死角が多いので、安全を確保することも大事なタスクです。カーブではクラクションを鳴らして、対向車線から来る人たちに知らせるそうです。
サンパウロ〜リマは飛行機だったら5時間で行けてしまいますが、それでもバスをあえて選ぶ人たちの気持ちは分かる、とジョズエさんは言います。
「唯一無二の景色です。初めてこのルートを運転した時、行きはバス、帰りは飛行機で戻る予定のお客さんがいました。でもすごく気に入ったので、帰りも私たちと一緒に(バスで)戻りました。お客さんたちはアンデス山脈だったり、アマゾンからすでに砂漠になった場所の変化を見たいと言います。素晴らしいですよ。」
乗客もまた多種多様です。冒険好きなブラジル人バックパッカー、母国に帰国するペルー人もいます。この日乗っていたブラジル人親子はクスコまで、3日半かけて行く予定です。「バックパッカーには慣れていますが、電車の方が多く、バスの経験はそれほどありません。あまり快適じゃないかもと分かっていますが、アンデス山脈がバスから見えるんです!飛行機からは見えない景色を地上から見ることができます」
5日間6000kmのバス旅。大変なのは言うまでもありませんが、このバス旅でしか経験できないこと、見られない景色がありそうです👀✨
●本当に世界最長?●
昨年までブラジルのリオ〜コロンビのボゴタを繋ぐバスルートがあり、走行距離は14000km。公式な記録にはなっていませんが、世界最長だと考えられていました。しかしバス会社Ormenõが倒産してしまったため、このルートもなくなってしまいました。
リオ〜リマは2016年からギネス世界記録に認定されており、走行距離は6200km。当時はOrmenõ社が運行していましたが、今年4月からブラジル、リオ・ブランコに拠点を置くTransacreana社が同ルートで運行するようになりました。Transacreana社は改めて申請し、ギネス世界記録に認定してもらう予定です。
●運行スケジュールと料金●
リオ、リマともに毎週木曜日発。料金は片道1000レアル〜(約205ドル)
写真:UOLより
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