13 Sep 50年間貧困層を記録し続けた2人の写真家
ミナス・ジェラエス州の写真家、ジョアン・メンデス(72)とアフォンソ・ピメンタ(69)は、50年前から州都にあるセラ貧民街に住む人たちのポートレートや記念写真を撮影してきました。今年PIPA ONLINE賞に選ばれ、ブラジル全国で視覚芸術において最も優れたアーティストとして表彰されました。
60年代半ば、ジョアンとアフォンソはセラ貧民街に住んでいました。ジョアンは16歳の時にプロとして写真を撮り始め、アフォンソは13歳の時にジョアンのお母さんと知り合います。お母さんが弟子としてどうか、と紹介したことがきっかけで、二人は出会いました。アフォンソはジョアンの撮影した写真に感化されて、写真を始めることにしました。アフォンソは学校の友達から最初のカメラを買い取り、それ以来ずっと写真を続けています。
60年代後半、セラ貧民街では黒人文化のパーティー Baile Blackが盛んになり、参加者たちを撮影するために、アフォンソはパーティーに招待されました。現像した写真を渡すために、みんなの家をまわっていました。そうしているうちに彼らの家の中にも招待され、家族の集合写真やカップル、親子の写真、結婚式や誕生日といった記念日の写真もお願いされるようになりました。
アフォンソは「当時、写真は限られた人のためのものではありませんでした。長い間、私は家族にとって一番大事な瞬間を撮影してきました。洗礼、誕生日、結婚式、家族にとって象徴的な瞬間です」と言います。
2019年、アーティストのギリェルメ・クーニャが「RETRATISTAS DO MORRO」というプロジェクトを立ち上げます。ジョアンとアフォンソが撮影した10万点以上の写真を復元し、デジタル化しました。
「世間に無視されてきた写真です。ブラジルの歴史を見ても、こうした場所(貧民街)の歴史を語るプロジェクトはほとんどありません。住民と写真家は、彼ら自身の物語の主人公なのです」とギリェルメは語ります。
2人のコレクションは計25万点にも上ります。
二人の写真は現在Sesc São Paulo(Pinheiros)で11月20日まで展示されています。機会があれば、ぜひ足を運んでみてください!
参考記事:
https://thesummerhunter.com/porque-amamos-os-retratistas-do-morro/
写真: Afonso Pimenta, João Mendes
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